因数分解の公式
目次
因数分解の公式(基本)
パン太先生
ここでは因数分解の基本となる公式を紹介します。あとで説明もするので慌てずいきましょう。
⑴ \(ma+mb=m(a+b)\)
⑵ \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)
\(a^2-2ab+b^2=(a-b)^2\)
⑶ \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)
⑷ \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
⑸ \(acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)\)
⑵ \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)
\(a^2-2ab+b^2=(a-b)^2\)
⑶ \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)
⑷ \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
⑸ \(acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)\)
⑴ \(ma+mb=m(a+b)\)
パン太先生
⑴ の公式は共通因数でくくるといいます。各項から共通な因数を見つけて公式の通りにくくります。例を見ましょう。
⑴ \(2x^2y+4xy^2\)
うさこ
\(2xy\cdot x+2xy\cdot 2y\)と変形できるので、共通因数は \(2xy\) ですね!
パン太先生
そうですね、公式に沿ってくくってみましょう。
⑴ \(2x^2y+4xy^2\)
\(=2xy\cdot x+2xy\cdot 2y\)
\(=2xy(x+2y)\)
\(=2xy\cdot x+2xy\cdot 2y\)
\(=2xy(x+2y)\)
⑵ \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)
\(a^2-2ab+b^2=(a-b)^2\)
パン太先生
⑵は2つあります。ですが2つ目の公式は一つ目の公式の \(b\) に \(-b\) を代入することで得ることができます。
うさこ
どちらか1つ覚えていれば代入することでもう1つが分かるんですね!
パン太先生
どちらか一方を覚えていれば何とかなりますね。でも最終的には両方使えることが目標なので万が一忘れてしまったときの参考にしてくださいね。それでは例を見ましょう。
⑵ \(x^2+6x+9\)
\(=(x+3)^2\)
\(=(x+3)^2\)
\(4x^2-12x+9\)
\(=(2x-3)^2\)
\(=(2x-3)^2\)
うさこ
これって展開の反対のことをやってるんですか?
パン太先生
よく気が付きましたね。これは展開公式の和の平方と差の平方の逆といいます。公式に慣れないうちは、展開のときどうやって計算したかを考えながら挑戦するといいですよ。
⑶ \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)
うさこ
あ!これも展開の公式にありましたね!
パン太先生
よく勉強していますね。平方の差は、和と差の積になります。それでは例を見ましょう。
⑵ \(x^2-9y^2\)
\(=x^2-(3y)^2\)
\(=(x+3y)(x-3y)\)
⑷ \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
パン太先生
⑷ の公式を使うにはちょっとしたコツがあります。
うさこ
コツって言っても公式に当てはめるだけじゃないんですか??
パン太先生
とりあえず公式を見てみましょう。左辺の2項目に \(a+b\) 、3項目に \(ab\) があるのが確認できますね。この公式は \(a\) と \(b\) の和と積を考えて因数分解するんだ。
パン太先生
もっとわかりやすく言うと、
\(x^2+Px+Q\) の因数分解は
和が \(P\) , 積が \(Q\) となる
これを意識すればいいですよ。
そして重要なのが和と積のどちらを先に考えるかということなんです。
うさこ
どっちでも変わらない気がするけどなぁ。
パン太先生
それでは次の問題を考えてみよう。和の組み合わせはいくつあるかな?
⑷ \(x^2+8x+15\)
うさこ
\(a+b=8\)になればいいんですよね?
\(1+7=8\)
\(2+6=8\)
\(3+5=8\)
\(4+4=8\)
けっこう組み合わせって多いんですね…
引き算も入れるとまだまだ出てきます…
\(1+7=8\)
\(2+6=8\)
\(3+5=8\)
\(4+4=8\)
けっこう組み合わせって多いんですね…
引き算も入れるとまだまだ出てきます…
パン太先生
それじゃぁ積を求めてみて。
うさこ
\(ab=15\) ですね。
\(1×15=15\) , \((-1)×(-15)\)
\(3×5=15\) , \((-3)×(-5)\)
あれ?かなり少ないですね!
\(1×15=15\) , \((-1)×(-15)\)
\(3×5=15\) , \((-3)×(-5)\)
あれ?かなり少ないですね!
パン太先生
そうです。やってみると気づきますが積を求める方が圧倒的に数が少ないんです。
うさこ
ってことは積を最初に求めて、その組み合わせから和を考えるといいんですね!
パン太先生
その通りです。必ず積から考えるようにしましょう。先ほどの例では \(3\) と \(5\) の組み合わせが良さそうですね。
⑷ \(x^2+8x+15\)
\(=(x+3)(x+5)\)
パン太先生
ちなみにですが因数の書く順番は特に決まりはないのでどっちを先に書いても構いません。見やすい形にするのが良いでしょう。
⑸ \(acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)\)
パン太先生
この公式については「たすき掛け」という方法を使うので、こちらのページで説明します。