3文字の対称式 (発展)

対称式とは

パン太先生
対称式について復習しましょう。
💡 対称式とは
 \(x+y\) , \(x^2+y^2\) のように、\(x\) , \(y\) を入れかえても変わらない式

💡 基本対称式とは
 対称式の中でも特に \(x+y\) , \(xy\) のこと

うさこ
思い出してきました!基本的な問題も解きましたね!
パン太先生
そうですね、対称式の基本を忘れてしまった人や詳しく知りたい人は こちら のページを参考にしてください。

3文字の対称式

パン太先生
文字が2つのときは、乗法公式を変形することで、対称式を基本対称式で表すことができました。
うさこ
文字が3つになったらどうやって基本対称式で表したらいいんですか?
パン太先生
3つの文字の乗法公式、因数分解の公式を知っている人は、2つの文字のときと同じように変形しましょう。知らない人は次の公式を覚えましょう。
 💡3つの文字の乗法公式

 \((x+y+z)^2\)
    \(=x^2+y^2+z^2+2xy+2yz+2zx\)

 💡3つの文字の因数分解

 \(x^3+y^3+z^3-3xyz\)
    \(=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\)

パン太先生
この公式は使う場面が出てきますので、覚えても損はないですよ。
 
うさこ
でもすごく複雑で覚えるのが大変です。
 
パン太先生
どちらの公式も輪環の順に並んでいますのでよく観察してみてください。輪環の順とは文字を輪の形に循環するように整理することをいいます。
 
うさこ
この公式を変形したらいいんですね?
 
パン太先生
はい、ではさっそく \(x^2+y^2+z^2\) , \(x^3+y^3+z^3\) をつくってみましょう。
 
 
💡 \(x^2+y^2+z^2\) をつくる
 
    \((x+y+z)^2=x^2+y^2+z^2+2xy+2yz+2zx\)
    \(x^2+y^2+z^2+2xy+2yz+2zx=(x+y+z)^2\)
    \(x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2xy-2yz-2zx\)
    \(x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\)
 
💡 \(x^3+y^3+z^3\) をつくる
 
    \(x^3+y^3+z^3-3xyz\)
       \(=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\)
    \(x^3+y^3+z^3\)
           \(=(x+y+z)\)
                    \((x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)+3xyz\)
 
 
パン太先生
1つ目は、右辺と左辺を入れ換えてから、移項をしています。最後にくくっています。2つ目は、移項しただけです。
 
うさこ
あとは基本対称式を計算して代入したらいいんですね?
 
パン太先生
はい、今回用意する基本対称式は

\(x+y+z\)
\(xy+yz+zx\)
\(xyz\)

です。

 
うさこ
対称式を見ると何を用意したら良いかわかりますね!
 
パン太先生
それでは例題を解いてみましょう。
 
 
例) \(x=1-\sqrt {3}\) , \(y=1+\sqrt {3}\) , \(z=-2\) のとき、次の式の値を求めよ
 
\(x^2+y^2+z^2\)

\(x^3+y^3+z^3\)

 
 
パン太先生
それではまず基本対称式を求めましょう。
 
 
  \(x+y+z\)
   \(=(1-\sqrt {3})+(1+\sqrt {3})-2=0\)
 
  \(xy+yz+zx\)
   \(=\)\((1-\sqrt {3})(1+\sqrt {3})+(1+\sqrt {3})(-2)+(-2)(1-\sqrt {3})\)
 
   \(=1-3-2-2\sqrt {3}-2+2\sqrt {3}\)
   \(=-6\)
 
  \(xyz\)
   \(=(1-\sqrt {3})(1+\sqrt {3})(-2)\)
   \(=(1-3)(-2)\)
   \(=4\)
 
 
パン太先生
準備ができましたね。さっき \(x^2+y^2+z^2\) , \(x^3+y^3+z^3\) は基本対称式に直しましたから代入するだけで良さそうですね。
 
 
\(x^2+y^2+z^2\)
     \(=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\)
     \(=0^2-2(-6)\)
     \(=12\)
 
\(x^3+y^3+z^3\)
     \(=\)\((x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)+3xyz\)
     \(=0\times \left\{ 12-(-6) \right\} +3\times 4\)
     \(=12\)
 
 
パン太先生
対称式は速く計算するうえで重要なので頑張って練習しましょう。
 
 
 

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