2重根号のはずし方

2重根号とは

パン太先生
今回は2重根号について学びましょう。\(\sqrt {6-\sqrt {5}}\) のように、根号の中に根号があるものを2重根号といいます。
💡 2重根号とは
  根号の中に根号があるもの
 

2重根号 \(\sqrt {p+2\sqrt {q}}\) のはずし方

 
パン太先生
2重根号は、\(a≧0\) のとき、\(\sqrt {a^2}=a\) であることを利用してはずすことができます。
 
うさこ
根号の中を2乗にできればいいんですね!
 
パン太先生
例えば、\(\sqrt {3}+\sqrt {2}\) を2乗してみましょう。
 
 
      \((\sqrt {3}+\sqrt {2})^2\) 
      \(=3+2\sqrt {3×2}+2\)
      \(=5+2\sqrt {6}\)
 
 
パン太先生
これを踏まえて2重根号をはずしてみましょう。
 
 
     \(\sqrt {3}+\sqrt {2}>0\) だから、
 
     \(\sqrt {5+2\sqrt {6}}\) 
     \(=\sqrt {(\sqrt {3}+\sqrt {2})^2}\)
     \(=\sqrt {3}+\sqrt {2}\)
 
 
パン太先生
このように、2重根号ははずせることが分かります。
 💡 2重根号は \(\sqrt {(\quad \quad)^{2}}\) の形にすることで、はずすことができる。
うさこ
2重根号ははずすことができることが分かりましたけど、はずし方ってあるんですか?
 
パン太先生
はい、ありますよ。まずは、一般的に \(\sqrt {a}+\sqrt {b}\) を2乗すると次のようになることを確認しましょう。
 
 
     \(a>0\) , \(b>0\) のとき、\(\sqrt {a}+\sqrt {b}>0\) で、
     \((\sqrt {a}+\sqrt {b})^2=(a+b)+2\sqrt {ab}\)
 
 
パン太先生
気づいた人も多いでしょう。根号の中が \((a+b)+2\sqrt {ab}\) の形であれば、\((\sqrt {a}+\sqrt {b})^2\) の形にして根号をはずすことができます。
 
うさこ
\((a+b)+2\sqrt {ab}\) は \(a\)\(b\) が、和と積になっていますね。
 
パン太先生
よく気が付きましたね。特徴を確認してみましょう。
 
2zyuukonngou
 
パン太先生
\(a\)\(b\) の組み合わせを探すときは、和と積に注目するようにしましょう。例えば、さっきの例では次のようになります。
 
 
     \(\sqrt {5+2\sqrt {6}}\)
     和が \(5\) 、積が \(6\) であるから、
      \(a=3\) , \(b=2\)  よって、 
      \(\sqrt {5+2\sqrt {6}}=\sqrt {(\sqrt {3}+\sqrt {2})^2}=\sqrt {3}+\sqrt {2}\)
 
 
パン太先生
それでは、\(\sqrt {(a+b)-2\sqrt {ab}}\) のときを考えてみましょう。先ほどと同様に \(\sqrt {a}-\sqrt {b}\) を2乗してみます。
 
 
     \(a>b>0\) のとき、\(\sqrt {a}-\sqrt {b}>0\) で、
     \((\sqrt {a}-\sqrt {b})^2=\sqrt {(a+b)-2\sqrt {ab}}\)
 
 
パン太先生
このことから、\(\sqrt {(a+b)-2\sqrt {ab}}\) は、\(\sqrt {(\sqrt {a}-\sqrt {b})^2}\) にできることが分かります。
 
うさこ
どうして \(a>0\) , \(b>0\) ではなくて、\(a>b>0\) なんですか?
 
パン太先生
例えば、\(a>0\) , \(b>0\) だと \(b>a>0\) もあり得ますよね。\(a\) よりも \(b\) のほうが大きいと \(\sqrt {a}-\sqrt {b}<0\) になってしまい、根号をはずせなくなってしまいます。
 
うさこ
なるほど、大きい方の数を \(a\) としておくと間違いないってことですね。
 
パン太先生
そうですね、大きい方の数を a とするようにしましょう。
 

まとめ

パン太先生
最後に一般的な形でまとめます。学習の参考にしましょう。
 \(a>0\) , \(b>0\) のとき、

 \(\sqrt {(a+b)+2\sqrt {ab}}=\sqrt {(\sqrt {a}+\sqrt {b})^2}\)

                          \(=\sqrt {a}+\sqrt {b}\)

\(a>b>0\) のとき、

\(\sqrt {(a+b)-2\sqrt {ab}}=\sqrt {(\sqrt {a}-\sqrt {b})^2}\)

                         \(=\sqrt {a}-\sqrt {b}\)

👉 \(a>b>0\) のとき、\(\sqrt {a}-\sqrt {b}>0\)

💡必ず大きい方の数を a としましょう
 

練習問題

パン太先生
ここからは、練習問題です。解答も載せていますので解いてみましょう。

 

練習問題 次の式を簡単にせよ。

\(\sqrt {6+2\sqrt {5}}\)

\(\sqrt {7-2\sqrt {12}}\)

\(\sqrt {12+\sqrt {44}}\)

\(\sqrt {14-6\sqrt {5}}\)

\(\sqrt {2+\sqrt {3}}\)

 

解答

⑴ \(\sqrt {6+2\sqrt {5}}\)

    \(=\sqrt {(\sqrt {5}+\sqrt {1})^2}\)

    \(=\sqrt {5}+\sqrt {1}\)

    \(=\sqrt {5}+1\)

 

⑵ \(\sqrt {7-2\sqrt {12}}\)

    \(=\sqrt {(\sqrt {4}-\sqrt {3})^2}\)

    \(=\sqrt {4}-\sqrt {3}\)

    \(=2-\sqrt {3}\)

 

⑶ \(\sqrt {12+\sqrt {44}}\)

    \(=\sqrt {12+\sqrt {2^2\cdot 11}}\)

    \(=\sqrt {12+2\sqrt {11}}\)

    \(=\sqrt {(\sqrt {11}+\sqrt {1})^2}\)

    \(=\sqrt {11}+\sqrt {1}\)

    \(=\sqrt {11}+1\)

 

⑷ \(\sqrt {14-6\sqrt {5}}\)

    \(=\sqrt {14-2\cdot 3\sqrt {5}}\)

    \(=\sqrt {14-2\sqrt {3^2\cdot 5}}\)

    \(=\sqrt {14-2\sqrt {45}}\)

    \(=\sqrt {(\sqrt {9}-\sqrt {5})^2}\)

    \(=\sqrt {9}-\sqrt {5}\)

    \(=3-\sqrt {5}\)

 

⑸ \(\sqrt {2+\sqrt {3}}\)

    \(=\)\(\sqrt {\frac {4+2\sqrt {3}}{2}}\)

    \(=\)\(\frac {\sqrt {4+2\sqrt {3}}}{\sqrt {2}}\)

    \(=\)\(\frac {\sqrt {3}+1}{\sqrt {2}}\)

    \(=\)\(\frac {\sqrt {6}+\sqrt {2}}{2}\)

 

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