置き換えを使った展開

置き換えとは

✍置き換えとは計算式の中に共通部分があるときに、それを違う文字に置き換えることをいいます。例えば次の式を展開したいとします。

\((x+y+1)(x+y+2)\)

 公式の形ではないとして、地道に展開しようとすると手間がかかります。試しに途中までやってみましょう。

\((x+y+1)(x+y+2)\)
\(=(x^2+xy+2x)\)
                  \(+(xy+y^2+2y)+(x+y+2)\)

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 この時点で面倒だと感じたはずです。置き換えを使うことで簡単に計算ができます。では、実際に置き換えのやり方を見ていきましょう。

 

置き換えのやり方

✍置き換えの手順は次の通りです。

⑴ 共通部分を探す
⑵ 共通部分を \(A\) などの別の文字に置く
⑶ 置き換えた文字をもとに戻す
 では、先ほどの式で置き換えをしてみましょう。
 
\((x+y+1)(x+y+2)\)
 
 この式の共通部分は \(x+y\) です。これを \(A\) と置き換えます。
 
\((A+1)(A+2)\)
 
 気づいた人も多いと思いますが、これは乗法公式の形ですね。計算を進めましょう。
 
\((A+1)(A+2)\)
\(=A^2+3A+2\)
 
 展開ができたら \(A\)\(x+y\) に戻して整理しましょう。
 
\(=A^2+3A+2\)
\(=(x+y)^2+3(x+y)+2\)
\(=x^2+2xy+y^2+3x+3y+2\)
 
 これで展開ができました。
 
 
💡一見置き換えが使えないように見える問題でも、よく観察すると置き換えられる場合もあります。
 
例1)式の並び方
 
    \((x^2+2x+3)(x^2-2x+3)\)
  👉\(x^2+3\) を \(A\) に置き換える
    \(=(A+2x)(A-2x)\)
    \(=A^2-4x^2\)
      👉\(A\) に \(x^2+3\) を戻す
    \(=(x^2+3)^2-4x^2\)
    \(=x^4+6x^2+9-4x^2\)
    \(=x^4+2x^2+9\)
 
例2)符号の違い
 
    \((3x+2y-z)(3x-2y+z)\)
    \(=\{ 3x+(2y-z)\} \{ 3x-(2y-z)\} \)
      👉\(2y-z\) を \(A\) に置き換える
    \(=(3x+A)(3x-A)\)
    \(=9x^2-A^2\)
      👉\(A\) に \(2y-z\) を戻す
    \(=9x^2-(2y-z)^2\)
    \(=9x^2-(4y^2-4yz+z^2)\)
    \(=9x^2-4y^2+4yz-z^2\)
 
 
 

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