乗法公式(展開公式)①
展開
✍まず展開について説明します。計算法則で勉強した分配法則は覚えていますか?分配法則を用いて整式を整理することを展開といいます。
例) \(A(B+C)=AB+AC\)
このくらいであれば簡単に計算できると思います。では、次のような展開はどうでしょうか。
例) \((A+B)(A+C)\)
\(=A\cdot A+A\cdot C+B\cdot A+B\cdot C\)
\(=A^2+AC+BA+BC\)
\(=A^2+(B+C)A+BC\)
‼分配法則を用いて展開することはできますが、時間と手間が掛かってしまいます。
💡ある型にはまった整式を展開するのに便利なのが「乗法公式(展開公式)」です。
乗法公式(展開公式)前半
✍ある決まった形をした多項式の乗法では、次の乗法公式(展開公式)が使われます。
\((a-b)^2=a^2-2ab+b^2\)
⑵ \((a+b)(a-b)=a^2-b^2\)
⑶ \((x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\)
💡まずは具体的な使い方を見てみましょう。そのあとにこの公式の証明をします。
例1)\((x+4)^2=x^2+2\cdot 4\cdot x+4^2\)
\(=x^2+8x+16\)
\((x-3)^2=x^2-2\cdot 3\cdot x+3^2\)
\(=x^2-6x+9\)
例2)\((x+5)(x-5)=x^2-5^2\)
\(=x^2-25\)
例3)\((x+3)(x+4)=x^2+(3+4)x+3\cdot 4\)
\(=x^2+7x+12\)
\((x+3)(x-4)=x^2+(3-4)x+3\cdot (-4)\)
\(=x^2-x-12\)
乗法公式(展開公式)前半の証明
✍乗法公式(展開公式)の証明は展開を用いることによってできます。
⑴ \((a+b)^2=(a+b)(a+b)\)
\(=a\cdot a+a\cdot b+b\cdot a+b\cdot b\)
\(=a^2+2ab+b^2\)
\((a-b)^2=(a-b)(a-b)\)
\(=a\cdot a-a\cdot b-b\cdot a+b\cdot b\)
\(=a^2-2ab+b^2\)
⑵ \((a+b)(a-b)=a\cdot a-a\cdot b+b\cdot a-b\cdot b\)
\(=a^2-b^2\)
⑶ \((x+a)(x+b)=x\cdot x+x\cdot b+a\cdot x+a\cdot b\)
\(=x^2+(a+b)x+ab\)
乗法公式(展開公式)後半は こちら